不倫もの三冊。

不倫もの、とくくられたら作者は嫌だろうなあ、と思いつつ。
まず、平田俊子著『殴られた話』を読んだ。
独特の文章で、読んでいる間中心地よくて、内容はさっぱり心地よくないのに。
甘くて冷たいなめらかなものがのどに詰まっているような、そんな気持ちになる文章。
ういろうとか、羽二重餅とか。

殴られた話

殴られた話

もう一回読みたい。
つぎに、よしもとばなな著『もしもし下北沢』。
これまた女癖の悪いバンドマン登場。
もしもし下北沢

もしもし下北沢

最後に、江國香織著『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』
どの登場人物にも全く感情移入できない、すごい話。
登場人物の80%位が不倫をしている、またはしていた。
薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

すべてジャケ借りなのに、なんとなくトーンが揃っていて、
そうか、そのような層を狙った装丁なのかもしれない、と思ってみたりした。
その前は『死の棘』を読んでげんなりしたりしていたので、
次はぜひ、非不倫ものを借りてこようと思う。